砂丘にて/じぇいぞろ
台風は950hpで明日には鳥取砂丘に最接近する。その頃に砂丘に到着して、台風を満喫するというのが彼女の計画。
スキー用のゴーグルとストック、適当な大きさの波トタン、予備の傘数本を赤いゴルフに積み込む。
実際には、下見を兼ねて前泊した。曇空の夜4時頃、裸足で砂丘を歩く、砂も風も冷たい。
頂上に座って抱き合って体温で温めあった。
日の出もなく白い霧の中を歩いた。
昔の人も草履やわらじで行楽したのだろうか。ラムネやスイカが井戸水で冷やされていただろうか。
いや、ここは神聖な場所であったに相違ない。砂の下に埋まっているのは、大量の人骨だ。砂の古墳だ。
彼女が「注意事項」と
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