ウサギの階段/竹森
ではなくメロディー。おとぎ話が我々を物語り始める。赤い月のまなざしが、密室の窓越しにカレンダーを捲る。カレーの匂いの染み付いた、数千年前のカレンダー。
気が付けば、気が付けば、蛾の群がる電球を包括する、ある一日に群がるようになった我々人間の、習性の周りに群がる日々を照らす電球を、舐める舌、その唾液を啜る卑しいゴキブリ。それがあなたたち。気が付けば、気が付けば、一度の高校生活で満足できない我々が、一℃の高熱で寝込む、一冊の本を読む、三度目の高校生活を、寝込ませる、見舞金を、コンビニで払い込み、涙を流す、繊細なあなたの心情を代弁する、四度目の高校生活。五度目の高校生活は地獄にて。六度目の高校生活
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