遠さについて/葉leaf
さである。私は根源的に愛は不可能だと思っていた。友愛、恋愛、家族愛、全て不可能だった。私は全て愛してくるものを拒絶し、自ら他者を愛することなく、むしろすべてに憎しみを向けていた。すべてのものは守るためや維持するためにあるのではなく、軽蔑し破壊するためにあるのである。私は誰からも愛されないし誰も愛さない。全ての連帯を拒絶する、なぜなら連帯は汚らわしく卑しいから。人間を人間の奴隷とするものが愛であり、人間を人間の君主とするものが愛の拒絶だったのだ。私は人間の君主でいたかったが、それはやせ我慢にすぎず、本当はいつも愛に絶望的に飢えていた。愛無き沙漠もまた限りなく遠いところにあった。
私は今では職を
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