休暇の日には/葉leaf
休暇の日には旅行に行きたい。近場の都市の小さな祭りに参加して、山車を引いたり酒を酌み交わしたりしたい。人々との瑞々しい触れ合いの中でも、自分の中の凍った寂しさはいつまでも融けないことを確かめたい。夥しい人々との交わりの中で僕はいつのまにか寂しさを見失った。寂しさは僕の中に冷凍保存された瞳の明るい少年であり、僕の全ての涙と笑顔の故郷なのだ。冷たい寂しさはいつまでも僕のポケットの中に忍ばせてあるように、そして僕はいつまでも不安な空を迎えられるように。
休暇の日には旅行に行きたい。遠くの海の浜辺に立って、海に向かって、色んな人に言いたくても言えなかったこと、言いたくても言えないことを大声で叫んで来
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