雨の日/葉leaf
 
あの駅に出て、あの裏道を抜ければあの大通りに出る。外が禁止されているのは余りにも不当だし、外は何かすっかり変わってしまったかのように振る舞うから、僕はいつもの外を再現して雨による変装を暴こうとする。

雨の日に、僕はいくつもホットケーキを焼く。何でも自分でやるのに向いているのが雨の日だ。雨は少しずつ自分の自分による自分のための生活を思い出させる。例えばゴミを整理して袋に詰めたり、本棚を整理したり、靴を磨いたり。自分が自分に立ち返り、外の助けを受けなくてもやっていける、そんな僕はホットケーキを焼く。自分の生命を遠回りに支えてくれるお菓子の栄養、僕はそれが自分の生活の要だと思うので、ホットケーキを
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