友だち/2012
「再帰的近代」という石臼がある
それは無数の嘘事を星屑と一緒に挽き砕くことで
「都市」という大規模構造を幻視させる魔臼
その「都市」で、僕は友だちとはぐれてしまった
僕は友だちを追いかけようとすればするほど「都市」の深みにはまり込んで
十分おきに繰り返す地下鉄の「終電」をいつも必ず乗り逃してしまう
僕はようやくの思いで
友だちが身を寄せる喫茶店にたどり着いた
喫茶店の時計はひどく壊れており、カチカチと音だけなっていた
全ての針がぐにゃぐにゃに曲がっていて今が何時なのかさっぱりわからなかった
喫茶店の主人に言わせると、「何時でも今なのさ」ということ
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