百鬼繚乱 < 4 >/nonya
 
ますます厚くなっていく
わたしの鱗は見栄と欲を
照り返すばかり

そんなわたしなのに
それだけのわたしなのに
まっさらな眼差しで
信じると言ってくれる

あなたって馬鹿じゃない?

尻尾のようにつきまとう
わたしの過去をあなたは
決して踏んだりはしない

潮風のように哀しく湿った
わたしの傍らであなたは
一緒に黙り込んでくれる

余計なお世話
だけど
わたしも馬鹿になってみようか

痛みを堪えながら
鱗のような嘘を剥がし終えた
まっさらなわたしを
あなたは抱きしめてくれるだろうか





NUPPEFUHOFU(ぬっぺふほふ)

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