一瞬に輝く/田園
初からそうだったのだろう
気まぐれに私は醜い部分だけを見ていたのだろう
魂は壊れそうな脆いもの
星空にそう呟く
どれほど前に瞬いたのだろうその光は
こんなにも こんなにも綺麗なのに
それでも都会のネオンはきらびやかで
二重になって私の記憶に残っている
昔
お手手つないでたい焼きを買いに行った父のしわ
男は無論帰ってこない
私もそれを望んでいる
それぞれが正しくて
それぞれが間違っていた
そんな青い時代を過ごした一組の仲間として
薄く笑ってさようならをした
少なくとも私は
それぞれがそれぞれに怠惰で
全力だった
諦め
足掻き
悟り
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