夜になればかえるは/Debby
違いみたいな感じがした。流しのベース弾きも、燕尾服に身を包んだ楽隊も来なかった。子どもたちの声すら聴こえなかった。僕たちはいつまでも爆撃を待ち続けた。
ずっと昔、豊かな水がこの街にあったころ、僕たちは夏の暑さをこの噴水の周りでしのいだものだ。一晩中町を転げまわって、最後にそこで眠りにつくときにはいつも爆撃機のことを考えた。
かえるの泣き声がぴたりと止んだ。
# 喜びについて
僕は僕なりにやってきたつもりなんです、僕は僕の正義に従って、いや時にはそれすら守れないことだってあったけれど、それでもそれなりの切実さを持って生きてきたつもりなんです。
順番がやってきて、演台に上がっ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)