夜になればかえるは/Debby
 
。暖炉にくべた白樺の枝が弾けるたびに、窓が一つ一つ木板で打ち付けられた。祖父のことを考えた、降りしきる雪の中で、絶望的な塹壕戦の中で、彼が考えていたこと。あなたがいてくれたから、と思った。伝えることも出来た。そうはしなかった。そうはしなかった全てが、僕たちの街を埋め立てた。
 便りをください、とかえるが一声鳴いた。とても寒い夜だった。

# 平和公園は爆撃された

 水の枯れた噴水のそばに寝転がって、空を眺めていた。いずれ爆撃機がやってくる、と友達は言った。今度は外すなよ、と僕は答えた。僕たちはいつまでも空を見ていた。どこという特徴もない空だった、紺色は安っぽく、たなびく雲は何かの間違い
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