夜になればかえるは/Debby
 
聞きたい夜は全部間違っている、そういうことにやっと気づいた。この世の誰にも、深夜に誰かをたたき起こす権利なんてないということに、今更僕たちは気づかなきゃいけなかった。嫌な夢を見たあとのあの気持ちは君のもので、僕のものではなかった。いつの間にかそうなってしまったのかもしれない、と思った後で、やっぱりそれは間違っていたと気づいた。君は君のもので、僕は僕のもので、ビル街の片隅で鳴くかえるの鳴き声を伝えたいと思った時、人はもう詩でも書くしかない。

# あなたがいてくれたから

 とても親切だった人からの便りが途絶えて、僕たちの街は雪に覆われた。人々は家を捨てて暖かな故郷に帰っていってしまった。暖
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