「ホリック」/泉由良
ホリック
詩になりそこなった単語が脳裏でくるんくるんと廻り
バス停から自宅まで歩くあいだに3回転半で綺麗に着地を決めました
いろんなものにホリックなあたしは
青臭いトマトジュースで錠剤を流し込みながら
沈黙し続ける携帯電話を爪ではじく
ペールブルーのマニキュアが意外とすてき
言葉にホリックなのどうすればいいの
息をし始めた言葉も
わからないまま発せられない言葉も
黒い缶詰にみんな閉じ込めて
缶切りで開けたらぱあっと世界中に散らばって
最後に覗いたら希望だけありました
なんていう神話がありました
一番に散らばって欲しかったのは希望なのに
そし
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