「ホリック」/泉由良
 
そしてあたしは人肌恋しやなホリック
誰か抱き締めて
あの日あなたがあたしの耳に吹きかけた若くて熱いあの吐息
耳が弱いのどうして知ってるの
あたしあっという間に溶けてしまったじゃないの



4時55分
夏至の頃はとっくに明るかったのに
もう立秋も過ぎた
さみしいな
夏は本当に好きよ

あたしの耳に熱い息を吹きかけたあなたも
何処か遠くで知らない大人になってしまうのかな
熱い息ホリック
もう二度と触れてはくれないと思うけど

5時1分
空が藍色になってきました
トマトジュースにはいつのまにか
ウォッカを混ぜていてブラッディメアリィ
タバスコが入っていてスパイシィ
けれどその壜が残り僅かだった
あたしの夜のように
あたしの夏のように


ホリック・ホリック・ホリック
ちいさく歌ってみました






(2007.08 晩夏)
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