懐剣/砂木
とにかく頑張る気だった
父を棺に入れる時も
親戚の人達と共に
ぐにゃりと 固定できない父に
白い旅装束を着せて
和尚様の教えに従い
とにかく 無事に弔いたかった
和尚様が 小学に入ったばかりの姪に
お別れに 父の側にくるように言った
おかあさんに手をひかれながら
父の側まで行かないうちに 姪は 絶叫した
いやあああああああああああああああ
あああああああああああああああああ
おかあさんの手をもぎはなし
家の隅っこまで走り 座りこみ
赤ちゃんに戻ったかのような大声で 逆らった
どんなに誰がなだめても 泣き止まない
しょうがないよね 子供はね
大人
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