川口晴美詩集『lives』を読んでみた/光冨郁也
/思いこんだまま 夜に押しつぶされるばかりだったはず/だから/わたしは/夜の道を 次のコンビニの明かりへと歩き出す/歩いていく/ポケットの中で ぎゅっと手をにぎる(「夜歩ク」最終部分)
漂うようなライトな孤独を感じる。何かを探すような気分はわかる。この詩の中でわたしも主人公と同じように必要なものを探して次のコンビニに向かう気持ちになった。(コンビニに限らず、夜、欲しいものを探しに行くと、何故か手に入らないことがわたしには多い)
「lives」はこういう詩集だと、ひとことで言うのがわたしには難しい。それで三つだけ印象的なものを選んで紹介してみた。
「あとがき」にあるように歌人の大田美
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