時の坂道/るるりら
んに みんな透き通って
消えてゆく。
そうだ。やっぱり 不思議に明るく咲くこの花の この場所は、竜の場所だ。
あれは夕日じゃない。竜の珠だ。
風が びゆうびゅう と 鳴くと、時計草の葉が掌のように揺れる
なにと別れて ここまで来たのか だれのことを忘れたのか
私は すっかり忘れてしまった 手の平のような形をした無数の葉たちは
それらを ぜんぶきっと覚えていて 私の代わりに さようなら さようならと
泣いている。
もう ずいぶん だれとも会ってない。
もう ずいぶん 歩いてきた。
きがつくと たったひとりで 道を歩いている。
目標がなしに歩くには
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