潜る/凍月
 
が上がる吹き付ける粉は何だろう毒か麻薬か薬か否か吹き抜ける風が生暖かい不愉快な色彩ごときは生温い黒煙を絶え間なくあげて走る列車に線路なし思考回路の上を蹂躙し轢いた希望は数知れず大きく大きく成長するのだその空間には何があるのか洞窟を地下へ地下へと潜れば見つかるものは使用済みの核燃料未来に何も残さない厄災だけを包装し見た目を隠してカタコンベのように地下に共同墓地に棺が一つ黒い大きな塊だ人間は無駄に大きいと気付ける為にそこにあるたった独りで待っている死ぬ時はそこへ入るんだろうよそれの蓋には装飾がある浮く二つの眼球狂った王冠支配の足跡笑う林檎罪の喉仏舌を出す蛇は対になり叡智を我がものにせんと毒牙をむく林檎
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