小屋/草野大悟2
 
た。
 学校ではいつも一番前に並んでいた。
 あだ名はいつだって「チビ」だった。
 僕は、小学校のころからほとんど目立たない、というより、みんなから完全にシカトされた存在で、欠席しても出席しても誰も気に留めない、先生でさえ気にも留めない、そんな子供だった。
 勉強はできなかった。運動はなおさら苦手で、運動会や水泳大会などは、死にたくなるほど嫌だった。学校に火をつければ大会は中止になるな……そんなことを真剣に考えたこともあった。もちろん、実行には移さなかったけれど。 
 物心つくころから、僕には、人には決して見えないものが見えた。
 小学校二年の、夏休みに入ったばかりの蒸し暑い日だった。
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