いきれ/イシダユーリ
きみは
いつ
死んだっていい
わたしは
いつでも
きみが死んだことを
悲しんだり
怒ったり
理由や原因を
あれこれ考えたり
自分や誰かを責めたり
する準備を
ずっとしているから
きみは
いつ
死んだっていい
まえとうしろを
すべて
忘れる一瞬を
持っていい
わたしの
となりにいる
わたしが
生きている
ということを
一年のうち
ほとんどは
忘れている
わたしの
となりにいる
わたしが
音楽に合わせて
糸で動かされている
一年のうち
わたしのとなりのわたしは
ほとんど
台本を読んでいる
「男の人のおちんちんを
切り
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