草案と次の草案と詩と幸せ/ヨルノテガム
 
という幻影が
 立ち止まり、暑がり寒がり
 羽を持ち、羽をもぐ、綺麗に転がり傷んでいる
 色づいた私は滅びゆく間に
 虹の道に浮かぶ



 *


 虹という虫が
 階段の登り降りを
 小さい花やまた小さい花を咲かし
 揺らす風を近く感じている
 少しの涙が水面に落ち
 その主の影をあやふやにぼかす

 髪を撫でる青い空は低く優しい
 うつむいて話しかけてくる月に
 今日のことをそっと打ち明ける
 誰かとだれかは
 少しずつ入れ替わっているのサ
 極端に思うかもしれないけどね

 汗をかいた鼻先にふっと触れるように
 気づいたんだ
 花首を折
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