扉/草野大悟2
 

「だから飽きたって言うの?」
「そ」
「でもさあ、私、いっつも不思議に思ってたんだ。番人、なんの番してんだろう? って」
「そう言われればそうだな。僕は、そんなこと考えてもみなかった」
「ね、不思議でしょ?」
「ヤツは、時の番人かも」
「時の番人? なーにそれ?」
「時の流れの中に立って、流れてはいけないものを見つけ出して食っている。そして、食ったものは、そいつが生まれた時に戻す。どーだい?」
「うーん、ほんとっぽいね、それ」
 そのころ番人は、青を捨てよう、と考えていた。青を捨ててくれるものを探していた。
 何人かいる番人が全部、そう考えて、青をすててくれるものを探してい
[次のページ]
戻る   Point(0)