扉/草野大悟2
が照りつけていた。照りつけていたのに稲妻だ。どうしたことだ!
誰に怒りの矛先をむければいい? 知っているなら教えてくれ。ずっと考え続けているけど、残念ながら、解を得られずにいる。このままでは、永遠に、解は見つからない。強くそう感じる。でも、いい。解なし。という解もある。
「さっきからずっと気になってたんだけど、番人がいないね」
「え?」
「いつも、すっくと立って見張っている」
「あーあ。ヤツのこと?」
「そう、青鷺」
「もう、飽きたんじゃない。番人に」
「飽きる? 想定できませんが、私には」
「だって、ヤツは、時の中に立ち尽くしてきたんだぜ。雨の日も、風の日も、雪の日だって」
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