扉/草野大悟2
ch Innen。内面の自分。自分への道。
よく、しばしば、合う度に、行ったよね。
抱き合った。墓地の桜の老木の下。裸になって。すぐ後ろには多くの骨たちが埋められていた、と今になって理解した。
君の肉体はとても輝いていた。白く。
あなたの体は美しかった。どの墓石よりも。 やっぱり、桜の木の下には屍が眠っているわ。
きみの言の葉。
「そう、梶尾みたいにね。僕らは、それを感じる。それに触れる。基次郎みたいにね」
「基次郎って、だーれ?」
「梶尾だよ。梶尾基次郎」
「何屋さん、その人?」
「うーん……」
「ね、何屋さんなの?」
「うーん…檸檬かな、檸檬屋さんだ、きっと」「
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