扉/草野大悟2
手の中に入ったそれを落としてしまう。
怖れないことだ。怖れを友にすることだ。凍り付くような友を持つことだ。大切なことは、そのことに尽きる。それ以外のことは、おそらくは、枝葉末節だ。枝葉末節を好むならそうすればいい。しかし、掌に入ってものを投げつけることだけは、忘れないで。
さあ、私たちはここを出よう。心地の良いシュラフの暖かさと裸の心地よさを捨てて。 葉風は、いつだって私たちみんなの、みんなの産まれた頃を包むように、思い出させる。
やはり、私たちは、緑の記憶から逃れることはできない。また、逃れる気もない。
葉風は、私たちのコア。原点。マンガンノジュール。私たち自身。Weg Nach
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