宮澤賢治に寄せて/嘉村奈緒
てつぽうだまのやうに
このくらいみぞれのなかに飛びだした
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学生の頃、教科書に書いてありました。そこではじめて「あめゆじゆ」の意味をならったりしたなあ・・・。この詩は圧力がある。底からジクジクとしている空気を出しながら迫ってくる感じがして、何も言えなくなってしまう。それなのに、「まがつたてつぽうだまのやうに」て!!!!素晴らしい表現はゆるむことなくいきているわけで。もう、何ていうか、彼は神です。
【青森挽歌】(抜粋)
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こんなやみよののはらのなかをゆくときは
客車のまどはみんな水族館の窓になる
(乾いたでんしんばしらの列が
せはしく遷つてゐるらしい
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