ケチャマン/末下りょう
部屋のベッドに寝そべりハッパを吸い込むと俺って全体だぜって思ったらしい。女はいつも相場の3倍の金を受け取りまたよろしくねとつくり笑いを浮かべた。チンポにへばりついた血が乾きカピカピになると女の血のなかで全体がみるみる萎んでいくのを近ちゃんは感じていた。
俺が死んだら内臓、骨髄、目玉、使えるものは全部ヤミでさばいてくれと言っていた。チンポが欲しい女がいたら俺のを付けてやってくれと言っていた。
火葬場にブラジル人の女がふと現れた
女は勝手に棺にロウソクを1本突っ立てて
小瓶に入った水をかけて帰っていった
赤いドレスを着ていた
できればケチャップでもあればなと思った
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