ケチャマン/
末下りょう
近ちゃんはよく後ろにトビタイと言っていた
ハッパでもドラッグでもセックスでもただ後ろにトビタイと
近ちゃんを焼き終わると脚に埋まっていた金属の棒がゴロンと残った
金属バットかよってストリーキングのツレが呟いた
糖分が不足した表情をしてきみに仕返しするために
ぼくは少し黙らなきゃなと思った
つくり笑いを浮かべた女のケチャマンは乾いて剥がれ、痒く、粉をふき
ケチャップをあの街にぶっかけて赤くなる全体
戻る
編
削
Point
(2)