エクスペリエンス・レクイエム[或いは]君と僕の円環/ゴースト(無月野青馬)
インとチーズなどで食前を過ごしながら
1対1の空間に
慣れようとしていた
君はあらゆる女性の集合体のようで
あらゆる女性の希望的な煌びやかさと可憐さと包容力と
あらゆる女性の怠惰と堕落と悲劇性の影とが
折半して出来上がっていて
だからとても魅力的で豊沃で
僕は緊張して
手に汗握って
目を見れなくて
話も何も出来てなくて
サバンナで狙われるインパラみたいで
気配りなんか1つも出来なかった
それなのに
何だか時間をキング・クリムゾンに一気に削り取られたみたいに
いきなり
予約していたホテルの部屋の中に居た
僕に何が出来る
僕に何が出来る
と
呪詛のように呟きな
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