Amekuri/Debby
 
そう決めた。彼に雨を降らせるよう頼む人々はずっと昔からいたし、今だっている。ずっと昔のご先祖が祈りを空に届けてから、彼の一族はずっと雨を繰り合わせて生きてきた。それはとても憂鬱な作業だった、雨繰りが働けばシンドウさんの仕事が減る。世界はそんな風にできていた。
 だから、雨繰りは憂鬱なマラソン大会の日も、朝一番から全校朝礼がグラウンドである真冬の日も雨を降らせなかった。絶対に降らせない、明日はピーカン晴れだ、と彼は教室の真ん中で言い放った。僕は君たちのために雨繰りなんてしない、と。

 雨繰りは働くのが好きだ。しかし、だからって休むのが嫌いというわけでもない。働いて休む、この繰り返しに嫌気がさ
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