責任/葉leaf
10代の終わりころ、私はろくに人としゃべれない少年だった。ごく限られた友人と家族だけを相手に会話し、それ以外の広大な人の群れに対しては固く口を閉ざした。自分の言葉はすべて不適切であり、自分の言いたいことを正確に言っているとはとても思えないのだった。だから私は人から話しかけられるとぎこちなく吃り、場の雰囲気を気まずくするのが常であり、その度にやり切れない思いをした。私は他人が怖かった。他人はすべて自分より格上であり、他人におびえながら暮らしていた。教室の机に座っているときなど、自分の視線が他人に迷惑を与えていないかどうか、いたたまれなくなることもあった。だが、そうやって私は自分を安逸な地点に
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