責任/葉leaf
 
点に置き去りにしていたのだった。

転機はやって来た。私の気弱さに付け込み、ことあるごとに私に嫌がらせをしてくる連中が現れたからだ。私は苦しかったがどうしてよいかわからなかった。しかし誰も助けてはくれなかった。そのとき、私は自らに対する責任を感じたのだった。限りなく透き通った声のようなものが届くのを感じたのだ。それは、自らを改造していく義務であり権利であった。私は私に呼びかけ、私は私に呼びかけられた。私の内部には弱い自己とそれを乗り越えようとする運動する自己が分裂し、互いに闘いあいながら次第に私は弱さを克服していった。あるとき電車に乗っていたら、ふと隣の人を見て、「俺はこの人を今この場で殺すこ
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