アルバイトの備忘録/ichirou
 

おばあちゃんと一緒に来るその女の子は3歳の幼女から7歳の少女になっていた。
照れ屋さんの女の子はいつも僕から風船は受け取らず、僕はおばあちゃんに風船を渡していた。
でもその日は、
「今日でバイト最後なんだ。元気でね。」
と言って僕は直接女の子に風船を渡した。
女の子は初めて僕から風船を受け取ってくれた。

【備忘録】
28歳の時会社を辞めた。
次の仕事が始まるまで1ヵ月間無職だった。
貯金通帳を眺めて ため息をついている同棲していた彼女を見て、バイトを探した。
見つけたバイトは深夜のパン工場の配送のピッキングだった。
配送箱の伝票を見て自分の担当しているパンを配送箱に入
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