はやにえ/
 
しただけというありがちなオチ
打ち寄せる波を洗う遅れてきた化石クリーム
不安な城を見上げる少女のアルカイーダ・スマイル
天使たちがあまりにも騒ぎやがるので
思わず小一時間総括させてしまった
こんなこともあろうかと
あらかじめ穴を掘っておいて良かった
「たどり着けないのは、君だけで、君、の、大切な人たちは、大、丈夫」
それなのに彼女の地下室では腐敗が進行していく
「温度が憎い、湿度が憎い、何より、奴の体温が許せない」
そもそも彼女は何処を歩いているのか
右の足が夏のアラスカのツンドラを踏みしめる時
(それはスポンジのように頼りない感触)
左足の爪先はロプノールの痕跡を求めて
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