poetarot(法王のカード)保存版/みつべえ
かくだろう。死ぬまで。
※
花が咲いたので摘んだ。悲しくなったけど泣けないから。ひびわれた塔をのぼって。素手で。青銅の鐘をたたいた。皮膚がやぶれ血が出た。骨も。するとついに。鐘は。わたしのかわりに。大声で。泣きはじめ。あけがた。大量の雨を降らせて。割れた。
※
詩をかくことが第一義的ではない。詩をかく私は、私の全体の一部にすぎない。そんなことは、当たり前だ。だから歴史上の、いわゆる詩人たちは、みずからかいた詩のせいで、その人生を歪曲されて伝えられている。と。いうことも当然あるだろう。
※
あと少し。あと、ひとこと。あと、舌の長さほどの。ことば。が。足りないくらい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)