均衡/葉leaf
ずつ、あるいは一気に割れる。そうして割られた薪を今度は適当な場所に積んでいくのである。この仕事にはまず軍手が必要だし、爪はこまめに切らなければならない。木の肌は硬く荒れているし、それを取り扱うにあたって爪は各方向から衝撃を受けるので、爪が伸びていると割れてしまうのである。
私は外の光と風を浴び、ときには小雨や小雪を浴びながら、あたかも言葉を発するかのように薪を割り、薪を積んでいった。体の動作は一つ一つが意味と抑揚を持ち、あたかも言葉のようであったし、仕事の成果は出来上がった文章のようでもあった。言葉が社会の中で学習されるように、労働もまた社会の中で語彙と文法によって学習されるのである。薪を一
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