人と蛇の寓話/まーつん
ってきたところで
お前がどう動くか
俺には全て分かっている
ケチな刃物を叩き落とし
その身体に巻き付いて
雑巾のように締め上げて
空しい希望を絞りだしてやろう
懐の銃を抜いたところで
引き金にかけたその指に
稲妻のように踊りかかり
刃と研いだこの牙で
あっさり噛み切ってやろう
喜びの時も、悲しみの時も
お前の腹の中にいた俺だ
その浅ましき心の足取りなど
三歩前から予測できる
俺はその先に待ち構え
鎌首をもたげていればいい ゛
私は絶望の溜息をついた
その通りなのだ
この蛇は滅びることがなく
獲物を逃すことも
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)