空にさよなら日記/八男(はちおとこ)
 
の目に止まり、知人のちょっと有名な画家を紹介してくれて、会いに行った。  
  その画家は、岡本太郎の芸術は爆発だ!をそのままにしたようなおっさんで、生きたタコに絵具を吸わせて、キャンパスに投げつけていた。タコがうまく着地して絵具を吐き、逆に画家がキャンパスになってしまったこともあったそうだ。アトリエでコーヒーを御馳走になった。
  次に来るときは何か作品を持って来いと言われ、何も考えずというより、眼を瞑ってクレパスをなすりつけた絵を持って行った。すると先生は「素晴らしい!」と言った。周りの弟子も絶賛した。
  そのことを部屋に遊びに来た荒島さんに自慢げに報告し、絶賛された絵を見せると、

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