ワールドエンブリヲ/ゴースト(無月野青馬)
らんでいた
自分の心が未完成なのではないか
だから
真実が分からないのだと
自らを懐疑した
自らへの懐疑を引き摺ったままの今日
学校帰り
「私」は
電信柱の影で
多分100回目の、強めの憂鬱に侵蝕されて
うずくまってしまった
「私」は
強めの憂鬱の侵蝕に耐えながら
時の経過を待っていた
強めの憂鬱が迫って来る時には
いつも母親のカレーパンの味を思い出すようにしていた
強めの憂鬱が「未完成の私」を侵蝕した
ちょうどその時
そのタイミングで
「私」は
骸骨みたいなニンゲンとすれ違った
骸骨は
今から思うと
彷徨える「パン職人」
だ
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