ない日記の感想/渡邉建志
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彼女は危険なほどに(それはもう本当に危険すぎるほどに)「生きること」としか、そしてそれと密接にかかわることしかしていない。生きることを忘れたら死んでしまうから彼女は生きることについていつも考える。普通の人は生きるためにではないなにかほかの自己目的化した物事のために生きることを通じて間接的にそれが生きるためになっている(気がつけば)。たとえばお金を稼ぐという目的であったり。尊敬を得るという目的であったり。その目的の最大化を求めて必死でやっているうちに、生きるということに結び付いている。彼女は何をするにおいても生きるということから目が離れない。だからわたしはよんでいて泣きそうになる。苦し
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