ない日記の感想/渡邉建志
 
くちぐちに、次回の企画をささやきあう。



わたしはリピートしているだけで幸せになれる。リピートしていて。だけど、この幸せな気持ちが、どこへも行かないことも知っている。これはラヴェルといっしょで、閉じられた世界の美しさ、過去においての未来なのだけれど、わたしはそれを過去として遠くから見てその生活感にため息をつくばかりで。



12時になって、魔法が解けるまえに、戦場の中庭を走るように。そうやって走っていく人の姿をぼんやりとわたしは見ていた。このときが例の次の会、何人かいて、生きていける、と彼女が思うときに、その日記は事実を書く以上に思ったことに真実なんだと思う。


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