戯曲(高校編)/星☆風馬
 
とができるのですって。けれど、子宮の中にあるものには、手を施すことは、できない。胎盤が熱く燃えている。一つ、鼓動が鳴って、ドック、ドック、ドック、ポッポッポッポッポ。ドックドックドック、わたし。ポッポッポッポッポ、あなた。わたしとあなた。ドックドックポッポッポ、ドックドックポッポッポ。わたしとあなたの鼓動が響く。命がついえる、ってどういうことですか?わたしにカミナリが落ちるんだ。これから、あなたは引きはがされる。あなたは、いま、この子宮の中で、誰も触れることのできないこの神聖な領域で、永遠に、可能性のまま、産道をとおりぬけ、産声を上げて、命を生きる、潜在能力を、永遠に秘めたまま、わたしという、胎児
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