悠久かくれんぼ/ゴースト(無月野青馬)
 
を叶えられる幸運に憧れていた


ボビーとディンガルノは
「僕達」の大切な友達だった
ボビーとディンガルノはあと1回隠れ切れたら
“透明人間になれる権利”を手に出来る位置にいた
「僕達」はみんな
ボビーとディンガルノの特別な仲の良さを知っていたから
誰も妨害しようなんて思わなかった
むしろみんな
ボビーとディンガルノのことを応援していた
「僕」も応援していた


そして遂に
ボビーが
ディンガルノよりも先に3回目のノルマを達成した日
喜ばしい日
喜ばしい日になる筈だったこの日
この日から
ディンガルノの不幸が始まったのだった
(そのことに「僕」は一人きり
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