あの日覗き込んだ照準器の十字架Destiny/北街かな
した。いえ、違います」
「違うって、何が」
「ちがうんです。衝動的な反抗でした。私は未来のために立ち上がろうとしたのです、突発的に。貴方が高らかに高速ピンポンを奏でてくれたときに全てが終わり全てがもう一度始まっていく音を確かに耳の奥で聞きました。私の手のなかには、見たことも聞いたこともないような鈍器の存在が芽生えました。なぜかみかんの形をしていたので、余計に私はわけがわからなくなってしまったのです。貴方が生きていて本当に良かった」
「マミユミコちゃん、僕をここから降ろしてください」
僕は頭からみかん果汁を流しながら、泣いて鼻水を流してすがりついて懇願してみたけど、マミユミコちゃん2はちい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)