あの日覗き込んだ照準器の十字架Destiny/北街かな
に、叫びがうるさいしヘリが道に置きっぱなしで邪魔だと怒られてしまったので、ついにヘリコプターを飛ばさなくてはならなくなった。
もう僕はマミユミコちゃんに会えないかも知れないと思ったので、最後にお礼を言おうとバスで山を降りて、彼女の住む都会のマンションの部屋の扉の前にまでやってきてピンポンを連打した。だが扉を開けて出てきたのはマミユミコちゃんよりひとまわりちいさい女性だった。顔はよく似ているけど、顔と首の中心に縦線が入っていたので、ああこの人が右半身から再生したというマミユミコちゃんの同居人にちがいないとすぐにわかった。
彼女は無表情ながらも僕を部屋内へと快く招き入れてくれたのだが、玄関をま
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