想像上の動脈/北街かな
暗いところから明るい外へと散歩に出て、毎日、ずっと赤錆を食べて生きている。ぽかんとくちを開け、日が傾くまで。
砂を食べはじめてどれだけの時が流れたのかは知れない。
橋板の間から抜け続けるきれいな青空はどんどん広がっていく。ずうっと、飽きもせず続いていくぼろぼろの空中ハイウェイ。あちこちを橋渡す破線の橋。押し黙った無音の都市も、どこまでもばかみたいに続いている。降り続ける赤い錆で視界がときどき真っ赤になる。僕の動かない目玉も真っ赤に充血していればいいのにな。いつになったら色が変わるのかはわからない。錆の砂が僕の体から溢れて、僕の目から流れ落ちていく。
さらさらさら。
目元と頬に手のひらを
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