想像上の動脈/北街かな
赤いのや、透明の。
もはや普通のロボットには登るすべのない高い高いビルとビルを、赤茶けた橋が頼りなく揺れながら繋げている。またぱらぱらぱらと砂が落ちてくる。ぴょんぴょんと橋のうえを跳ねていくのは、手のひらに乗るほどのちいさなウサギたちや、羽のついた子猫や、鳥のような時計などが、見える。彼らはくちのなかからぱらぱらと砂を吐いている。浜辺から運んできたんだろう。
彼らは橋を修理したいんだ。橋をなおせば、彼らを飼っていたご主人たちが、迷わずにちゃんとこの街に帰ってくるんだと信じている。砂をあつめて橋に吐き出せば、橋が吐き出している錆の砂を取り返せると信じているんだ。
でも砂は橋板のおおきな隙間
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