波の下の月/まーつん
 
たのだ

 そして
 青い惑星が
 眠りに落ちた後には
 天の河の星々と
 言葉を交わしあってきた

 神と語り合う
 羊飼いのように

 その、
 現在とも
 過去ともつかない
 交流の軌跡が
 響きあう意識の
 こだまとなって
 脳裏に伝わってくる

 岩間を這い降りる
 雨水の音のように
 ブツブツ、コロコロ、と
 不思議にもの静かで
 訥々とした響きだった

 彼らの声は
 時間も空間も超え
 無限の隔たりを跨ぎ越え
 命について語っていた

 どこかの星では
 荒れ狂う雷雲の峡谷を 
 沢山の竜が
 雄と雌とに分かれて

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