日記「七月」2 (二十首)/もっぷ
 
遠くなる空の頃にはもういない夏のひかりは恋のトリガー


八月にあと十日ある暦みて七月の長さ蝉と比べる


みあげるといつものままの夏の空きのう見たのが二年前でも


東京じゃない場所へ帰るひとびとのための土産屋やってみようか


聞かないしたずねることもやめてみた君の心のセピア色には


どうしたら除夜の鐘まで届くかな道描けないほどの夏の日


百日紅夏のメタファー何日目気になりだした未だ七月


遠距離の二人同人ケータイの毎夜の合評いつか転じて


約束という反故にするためのことまた繰り返すヒトはなにゆえ


遠い日に足し算をしてきょうにな
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