日記「七月」 (十八首)/もっぷ
 
紫陽花の枯れ果ててあるきょうの昼わたしは外へ帽子忘れて


包んだら届くのかなと丁寧にリボンもかけたひと夏の夢


もう咲かない閉鎖し工事中の場にもう咲くことのない君の名は


まだ若い椛の樹すら隠されて何かやってる工事の現場


立ち入りに身の危険知らせ止めさせる札を折っても会いたい過去よ


花泥棒ゆるせないねと話す道ふと知る靴の踏んでいた花


友達のたずねる先のわたしにはどこにも私視えないはず、が


展墓解き使えないなと置いといて「われ」は二文字、文語がほしい


岩波の古語の辞典を手に入れてしばらくわけを忘れていました


八月の電
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