風のオマージュ その5/みつべえ
 

 ああ この平和はどこからくるか?
 かれは 眼をとじて
 誰からどのように愛されているか
 大声でどなった


 ン十年たっても、あいかわらず説明できない。でも「空気の乳首」とか「木乃伊のような恐怖」とか、わけわからんけど妙に魅かれる表現で、「あまりに」「あの影は」「あの」と「行頭」に「あ」「あ」「あ」と連発しているのも感極まっているようでステキだ。狼狽している。ときめいている。それはもちろん「哺乳類の奇蹟」のせいだ。「人生最大の驚愕」だ。そして、ついにはヌケヌケと「誰からどのように愛されているか/大声でどなった」りしてしまう。こんなあけすけな恋愛詩はみたことがない。ほとんどノロケ
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